「映画はダメだけど、遊園地と水族館は春以降も使えるみたい」

「うん?」

山田の声が緊張しているように聞こえる。

「春は、先生と一緒に過ごせるって思ってていいんだよね?」

山田の声が震えている。

俺は一体、何度彼女を泣かせるのだろう。

「もちろん」

俺の答えに、電話の向こうで山田が声を上げて泣くのが辛い。

「―――先生に会いたいよ…」

俺もだよ、心の中で俺は応える。

「先生も、会いたいと思ってくれてる?」

当たり前だろ、と言った後、俺はでもな、と続けた。