「お前さ、もう少し我慢できなかったの?
無理矢理迫ればそりゃ振られるよ」

「違うよ、バカ」

「じゃ何だ?
合意とは言え、やり過ぎた?」

「何で俺が襲ったの確定してんだよ…」

「お前みたいな一見まともなやつの方が、変な性癖を持ってるからな」

俺は呆れてため息をついた。

「山田とのことが高校にバレかけた。
今回はごまかせたけど、次はないから」

俺が言うと、洋平はふぅん、と鼻を鳴らした。

「意外とあっさり別れたな」

あんなにハマってたくせに、と彼は付け足す。

「春までだよ。
山田が卒業したらまた付き合う」

「そんなこと言ってて大丈夫か?
雛ちゃん狙ってる奴いるんじゃない?」

洋平はわざと俺の不安をあおるように笑う。