手が震えてるのに
気づいたのか
結衣は私のことをぎゅっと
抱き締めながらゆっくり話始める。


「舞衣…。
怖かったね…。
きっと動けなかったんでしょ?
どうしようもなくて
突き放すことも出来なかったんだよね。
もっと早く行けなくて
ごめんね…。」


いつもとは違う口調。


きっと結衣だって怖かったはずなのに
私に心配かけないように
してくれてるんだよね?

結衣の優しさと
安心感からか
また一気に涙が出てきた。



その日は
たくさんの人が心配してくれて
一緒に家まで送ってくれた。


でも悪夢はこれからだった―。