年下のアイツと過ごす? クリスマス・イブの夜に・・・

「はぁ!? うそおっしゃい!!」


こいつぅ~・・・

さっき抱きしめた時に
胸の大きさ比べやがったなぁ~(怒)



「いや、本当です!!
東條さんの胸はあたかかくて、
すごく柔らかかったです!!」


「なっ///」


政文の言葉に私は
恥かしくて顔が真っ赤になった。



「アホッ!!」

ゴンッ!!


「いてぇ!!」


私は政文の頭をグーで殴った。



「何言ってんの!!」


「す、すいません!!」


「あんたセクハラやでぇ。」


「ホントすいません!!」


深々と頭を下げる政文。



「ホンマにぃ~・・・」


「でも本当に柔らかくて・・・」


「まだ言うかっ!!」


ゴンッ!!


「いてぇ!!」


もう一発、政文の頭に私の拳が入った!!



まったく素直やねんからぁ~・・・
こんなことはっきり言うなよ。


胸が柔らかいなんて当然・・・


はっ///


そんなこと思ってると
なんだかまた恥かしくなった。




「東條さん・・・?」


「えっ!?」


「どうしたんですか?」


「う、うるさい!!
早く仕事に戻りなさい!!」


「は、はい!!」


政文は急いで持ち場に戻って行った。



私の胸が・・・

政文・・・


政文が私のことで言ってくれたことに、
政文を抱きしめたことに、触れたことに、
私はなんだか恥かしくも、
あたたかい気持ちになっていた。


そして昼休みのこと・・・


晴美と近くのパン屋さんで
昼ご飯を買いオフィスに戻る途中、
政文と何人かの同期が
かたまって弁当を食べていた。



政文・・・


政文は楽しそうに喋っていた。



あいつ、不思議と同期には
人気があるのよねぇ~・・・



そんな目で政文を見ていると、


「気になるの?」


「へっ!?」


晴美が私の顔を覗き込んできた。


「政文のこと、
気になるんでしょ?」


晴美がニヤッと悪戯に笑う。



「ち、違うわよ!!」


なんで私が政文なんか!!
私は慌てて否定する。



んんっ!?


すると、政文たちの輪の中に、
一人の女の子を見つけた。


あの子は確か・・・



「次原愛美ね。」


晴美が私の心察したのか
即座に答えた。


次原・・・愛美・・・



次原愛美(ツギハラ マナミ)

政文と同期生で、
人気女子社員の一人である。



「今、すごく男子社員から
人気があって、
この会社の四天王も
地位を脅かされているわ。」


「四天王!? 何それ!?」


「知らないの!?」


「知らないよぉ、そんなの・・・」


「まぁ、それはいいわ。」


「それって私は入ってるの?」


「・・・・・」


「入ってないんかい!!(怒)」


ここの男子社員はそんな目してんねん!!


すると、次原愛美がこっちを見て、
軽く会釈をして来た。


えっ!?


「ああ・・・」


当然の次原の行動に
私も慌てて会釈した。



なかなか礼儀正しくて、
感じの良い子じゃない・・・



と、私がそう思った矢先、
次原は政文の背中に抱きついた。



「なっ・・・」


私は突然のことに
目を丸くして驚いた。



「お、おいっ!!
何やってんねん愛美!!」


政文が胸の前で組まれた
愛美の腕を解放そうとするが、


「ええやんかぁ~。」


そう言って甘えた声で
更にギュッと抱き着いた。



そして次原は私の方を見て、
ニコッと微笑んだ。


イラッ。


な、なにアイツ!!


私は怒りを感じながら、
その場で呆然と立ち尽くした。


「あの子やるねぇ。」


晴美が感心したように頷く。


「なっ・・・
たくぅ・・・あの子ら
ここをどこやと思ってるん?
会社やで? 
いくら昼休みやからって
こんなみんなの前で・・・
非常識にもほどがあるわ!!」



あんなことできて
ちょっと羨ましいけど・・・


麗奈は自分にはできない
愛美のキャラを少し羨ましく思った。



「何、あの子に嫉妬してんの?」


「はぁ!? 違うわ!!」


嫉妬なんかしてない!!

あんな非常識女!!


でも・・・

悔しいけど・・・

かわいい・・・