楓と風が早く開けろ
という顔をしている。

似た者同士だな……この二人……

私は箱を思い切り開けた。

意外な事に、中身は蠍でも蛇でもなく、
小さな銀の鏡だった。

デザインがあの島で拾った
銀のナイフに似ている。
私は無意識に、腰のナイフに触れた。

「えー、ずるい!楓も欲しいー!」
「これは勇者にあげるんだ。
この前の蠍が可哀そうだったからな。」
「ん、これ、どうしたの?」
「ある伝説の品さ。
けど男は鏡なんか使わないからな。」

伝説の……?

「ん、ゼノ、伝説って……」
「さぁ、作戦会議だ。」

ゼノはそういうと、地図を広げた。
私の質問は流されてしまった。

今日は、九月三十日。