約束の期限まで、あと一か月。

私としては、ゼノ一族の
威厳をかけた作戦よりも、
凛のスカイチェーンの事に集中したい。

ついにゼノが最終作戦会議をする
というので、皆で居間に集まった。

四人でのんびりとくつろいでいると、
ゼノが小さな木箱をテーブルに置いた。
「さぁ、開けた者には
中身をプレゼントするぞ。」

誰も動こうとしない。
兄弟は、はなから興味がなさそうだ。

私は嫌な予感がして少し離れた。
前に箱を開けたら、
中身が大蠍だった事があるからだ。
 
「何だ、開けないのか?宝箱だぞ。
桜、開けてみろ。」

一番離れている私に、ゼノは言った。
ちなみに大蠍の時に
箱を開けたのも私だ。

仕方なく箱を手に取って見る。
斜めにすると、
何かがズズーっと滑る音がする。
小さい箱のわりには
重い物が入っているようだ。

ゼノが渡してくる物なんて、
想像もつかないが、
今回は生き物ではなさそうだ。