片足跳びで船に戻ると、皆起きていた。
怪我をして戻った私を、
楓の質問攻めが襲う。

私の手当を終えたアッサは
海の方に手を振った。
四人揃ってそちらに目を凝らすと、
小さな黒い点がこちらに近づいている
ようだに見える。
「さぁ、乗り換えるぞ。バルドの船だ。」

バルドの船は最悪だった。
まるで忘れ物を大急ぎで
取りに戻るように、
船はものすごいスピードで
アレクサンドリアに向かっていた。

そのあまりの速さと
ガサツな運転のせいで、
四人とも座り込んだまま口が聞けずにいた。

エジプトにはその夜に着いた。
都が遠くに見える。

バルドが船をつけたのは、
港より手前にある、
何もない海辺だった。
四人は這いつくばるように
船を降りると、砂浜に寝そべった。

アッサはピンピンしていて、
船と浜を行ったり来たりしている。
本当にタフな男だ。

しばらくすると浜辺で火が起こり、
浜が暑くなってきた。
私と凛はよろよろと
木々のある水辺まで非難した。
楓と風は明かりを頼りに
チェスにふけっている。