男か女か……
名前から判断するのは難しいけど、
若い年代に多い名前だ。

どちらにしろ、
二人が来るとは限らない。

夜の神社でお菓子を頬張りながら、
来るとも分からない相手を
ひたすら待っている姉妹。

よくよく考えてみれば可笑しな話だ。
その先どうなるかなど、
考えてもみなかった。 

午後十一時。
虫の鳴き声と共に、
石段を登る足音が聞こえてきた。

振り向くと、想像どおりの若者、
恐らく同じ年くらいだろう……
茶髪と黒髪。

どちらも身長は175センチ程で、
綺麗な顔をした男の子だった。
姉妹は驚きを隠せなかった。

「時間まで、後どれ位あるの?」
少しゆっくりとした口調で、
茶髪が口を開いた。

「四十五分。本当退屈だ。」
黒髪が答える。
無愛想だけど優しい声だ。

「結局また二人なんだね。」
「誰かつれて行っても
 しょうがないだろ。」