その後一週間はあっという間に過ぎ、
いよいよ城を離れる事になった。

最終日の食事は特に豪華で、
テーブルびっしりに並べられていた。

食べ残すのも失礼な気がして
頑張りすぎた私達は、
気分を悪くして大浴場に向かった。

この世界でこんなに広くて
綺麗なお風呂に浸かれるのは、
恐らくこれが最後だろう。

ゼノの家のお風呂場は、
ほとんど水浴び場と変わりない。

お湯に長く浸かったら、
気分も大分良くなったので、
そのまま凛と散歩する事にした。

城に来てから、
楓達とは別行動が多くなった。

三時間外を歩くとさすがに疲れて、
部屋に戻ると床に座り込んだ。

ちょうどその時、窓辺にゼノが現れた。
手に甘いお酒を持っている。

「これはイタリアの酒なんだ。」
「ん?何でゼノが持ってるの?」
「海賊達から貰ったんだよ。」
「ん?海賊?」

私が思わず顔をしかめるのを見て、
ゼノは言った。