夕食後部屋に戻ると、
私は窓辺に腰かけ、
一人物思いにふけっていた。
「桜、お前のおかげだ。」

今日はスカイチェーンが
鉛色から灰色に変わり、散々喜んだ。

もう少しだ、自分に言い聞かせる。
もう少しで……コンコン。
ノックの音と一緒に入って来たのは、
楓だった。

「凛の鎖、灰色になってたねー。
 もしかして、話聞いた……?」
「ん、聞いたよ……まさか、
 あんな過去があったなんて……」

「凛はすごくお姉ちゃん子だった
 らしいからねー。」
「ん?それは風も同じでしょ?」
「風は心開いてくれるから……」
そう言って私と向かい合った。
 
「あたし、風が好きだよ。
凛の事、どう思ってるのー?」
「ん…放っておけないと思ってるよ。」
 私は曖昧に答えた。
「ならきっと鎖外せるよー。」

そう言うと、楓は部屋に戻って行った。

座ったままぐるぐる考えていると、
凛が戻ってきた。

いきなり拳を二つ突き出すと言った。
「選べ。」