再び歩き出した私は、
相当用心深くなっていた。

もう二度も転んだのだ……

凛の足跡を踏む事に集中していると、
突然足跡が途絶えた。
驚いて顔を上げると凛は隣にいる。

「どうかしたの?」
「別に。」
それだけ言うとゆっくり歩き出す。

一応心配してくれたのかな……
私は何だかすごく嬉しくなって、
凛の隣をゆっくり歩いた。

午後六時、目標にしていた
ピラミッドに到着した。
想像を遥かに絶する大きさだ。

相変わらず人影は無く、
遠くに目を凝らすと
左にピラミッドが二つ、
右に塔の様な物が見えた。

これ以上ピラミッドを目指しても
仕方ないか……
それに、建物がある所まで行けば、
人がいるかもしれない。

今夜も野宿かもしれないな……
そう思いながら建物に向かって行くと、
暗くなるに連れて、
ポツポツと灯りが灯り始めた。
都のようだ。