再び出発した私達は、
昨日見たピラミッドを目指して
進む事にした。
 
歩いている間、
風が色々話してくれた。

私達が最初に行った旅館のような所は、
SkyChainManagementGroup
日本本拠地だ。

スカイチェーンを付けられた者は、
組織が用意した言語支障の無い異空間で、
三か月間生活する。

この空間での三か月は、
現世での一日に値し、
一人に与えられるチャンスは三回。
 
その期限内でチェーンを外せるように、
旅に出るのだ。
 
つまりあの手紙が意味していたのは、
「最後の鎖」を取り外す日程ではなく、
「最後の」鎖を取り外す日程だったのだ。
 
これは彼らにとって最後のチャンス……
おばさんが念を押すのも頷ける。

そしてスカイチェーンを付けられるのは、
ごく一部の人達なのだそうだ。

それは……未成年自殺者。