ザーッ…ザーッ…ザッ

ノイズが流れる、頭の中に、静かな部屋に
『……ん、いつの間にか寝てた…?』

そっと僕が体を起こすと、潜り込みながら母の声を無視し続けてきた筈の布団はなかった

ベッドの上でもない。

ただ、モノクロのタイルが視界一面に広がっていた、勿論自分の居る床も同じく、冷たく冷蔵庫に入れたようなタイルだった。


誰もいない。

モノクロタイルに
真っ白な壁が広がっている。

『…夢?』

僕は、ゆっくりと重たい体を立ち上がらせた。


適当に歩いて行くと、大きな真っ赤なサイコロが転がっていた

数字の数を表す丸い点は、血痕のようにして描かれている。



『……なんなんだ?ここ。夢なのか?って…普通に夢だよね。』




―――いrasしゃいmase―――

―――maってtanoよ―――

『っ……!声!?』

聞こえた声は、日本語になれてない外人のような、機械的で棒読みな声だった。


――――アナタ―――


――――ヒトのこえキイた言あル?―――――


『………』

恐怖感…というより、奇妙で声がでなかった。


『もう一回だけ、お尋ね致しますわ。アナタ、愚者(ひと)の心(こえ)…考いた(きいた)事ある?』