ずるるぅっと鼻を啜る、涙で顔がベタベタな僕をクロノスは乱暴ながら、自分の服の袖元で拭って
『泣くなって…、嫌な事思い出させたな、ごめん。』
まだ瞳に涙を満たす僕に優しく背中をさすってくれる。
『…っう…う…気持ひぃがっ…とっ…と、整っ、う…整ったら、ちゃんとっ…はなしゅ…からぁ…』
『強要しないから、無理に言わなくていい…』
『…っ、う…言う、よ…クロノス、は…優しいから…。』
『優しくねーけど…ま、いいか…』
うっすらとクロノスは笑みを見せた。
優しく、柔らかく、…自然に。
『僕…明日から学校行ってみる…。』
『…大丈夫なのか?また、泣いたら恥ずかしいぞ?』
『……僕なんかより辛い人、きっと数え切れないくらい居るから…。頑張ってみる』
『そうだな…、そうかも知れない。』
『僕のは辛いってレベルじゃないかも、だし…』
『…いーや、お前も辛いんだ、お前より辛い思いしてる人、居るかもしれない。でも…、お前も辛い思いしてる人の一人…、辛いに大きさがあるかなんてわからねーし。お前が小さい辛さだとしても、辛いって事は変わらないしな。』
『…、ね…今度お泊り会しない?するの…夢なんだ。』
『き、急だな…、ま…いいぞ?最近は結構自由だし…』
『うん…、その時…全部話せるように頑張るから…クロノスのその包帯の事、教えてね…?』
『……、包帯の事、な…。わかった。お前が話したら、な。』
『うんっ』
クロノスは俯いていて目を閉じている。
『そろそろ帰るか、送っていくわ。』
『い、いいよ…女の子じゃないし…。』
『お前小さくて童顔で…弱そうだろ?絡まれそうで怖いんだよ。』
『じ、じゃ…お願いします』
『はいよ』
そして、クロノスに送ってもらい、家に無事ついた