『はい、では…名前はいりません。適当に自己紹介して下さい、まずは私から。』

女の子は言った


『私はフォルトュナ、女です。人を観察するのが好きです』


『…え、な、名前は要らないんじゃ…』

僕は言った。

『だって、貴方がたは自分の名前を知らないでしょう。』

『…っ…あれ、なんで…自分の名前が思いだせないの!…何故…。』

縦ロールの女の子は言った。

『ほら、皆さん、自己紹介なさい。』

『私は…そうね、今は仕事はしてない、水商売をしていた女よ。』

尻軽そうな女性が言った。

『彼女の名前はラートリー、惨めな人形(ひと)ですよね』


ラートリーは黙った。


『私は、教師をしている者です…ああ、小学校でね。』

30代近くの男性が言った。

『彼は、ガンダルウ゛ァ、誠に色々と目まぐるしい人です』

ふん、と鼻で笑いガンダルヴァはそっぽを向いた。

『俺は、高校生。普通のな。』
目の鋭い男性が言った。

『彼はクロノス、陰湿な人ですね。』

『はぁ…』

クロノスは深い溜め息を零した。


『私は、…私立の進学校に通っていますわ。』

縦ロールの女の子が髪を触りながら言った。

『彼女はシュウ゛ァンセル、傲慢な人です』

『失礼な人っ…ふん』


『…僕は、一応働いてる。』

無愛想に中学生を見ていた女性が話した。

『彼女は、アンテロース。無神経な方です』

『っ…』

アンテロースは表情を歪めた。


『…ふ、俺は最近家に帰ってねぇな、職業は無し。だ』

『彼はカーリー…、キチガイな者です』
カーリーはその言葉に対し満更ではなさそうに見える。

『……中学生、です。女です…。えっと……』

暗い女の子は下に向きながら話した。

『彼女はベリアル。滑稽な人ですね』

ベリアルは何も言わなかった、だが…手は震えているように見えた。


『僕は、一応…高校生…かな。』

『彼はクレイス、一人では生きていけません。』


『意味わかんない…』

僕はそう呟いた

『では、今からゲームの話をしましょう。』