小さい子供みたいに大声で泣いた。
泣きたかった。

伊織は、その間ずっと頭を撫でてくれた。
やっぱり安心する。

私は、泣き疲れて眠ってしまったようだ。



ん?あ、私寝ちゃったんだ…

あ、伊織…ずっと眠ってる間手を繋いでてくれたんだ。
伊織も寝ちゃってるよ。
疲れたのかな?ごめんね…。

「ん?祈里起きたの?」

「おはよう伊織。」

「で?どうして泣いてたの?言いたくなかったらいいけど…」

「あ、お父さんにね?…」

あの時あった事を話した。

伊織は私に婚約者がいる事を知らなかったそうだ。

「その婚約者って誰なの?」

「…知らない…でも今度会うって」