「あれ、土方知らないの?男の子同士が全裸で、お互いのティンカーベルを竹刀に、突いたり・・・」
うっとりしながら語り始めた近藤を、背後に回った土方の竹刀が襲った。
「ジャスッ!パラダイッ!」
近藤の意識は遠のいた。

近藤は夢の中で、豪商の蔵を荒らす金髪の少年を追い回した。
「まてまてー、このわるい外国人少年めー」
「つかまえてごらーん。僕の名前はクリスピアンだー」
「なまいきだぞ、こいつー」
逃げ回る金髪の少年を、近藤はついに捕らえた。
「ほーら、つかまえたゾー!」
「お侍さんったら、どこを捕まえているんだよォ・・・」
「キャッチ・ザ・サーン・・・」

 春の夢は甘く、とろけるように近藤の体を浸していた。
竹刀ごしに、悦びの震えが手を通り心の奥底までも伝わってくるのを土方は感じた。
(なんだ、この感覚は!?違う!俺は断じて違うぞ!)
なりゆきを見つめる斉藤の唇が三日月のように吊り上げられ、妖しい笑みを作り出した。