バーガーショップにはいって

カウンターに座り いつもの馴染みの娘に

「 フィッシュバーガー タルタル ラージでね 」

「 なんで いつも ベチャベチャにして食べるのよ! 」

「 いいじゃん 好きなんだもん 」


ソースまみれの手で コークを流しこんでいると

となりに スケボーを抱えて ヤツが座った

目が合うと 興味ありそうな感じで こっちを見ている

なんだよ そんな趣味ないぜ と思いながら

「 メイ アイ アスク ユァー ネイム? 」

英語 ワカんないから 妙に丁寧に訊いてしまった

「 ウィリアム ・・・ ウィットフォード 」

「 コール ミー ビリー 」 と 


ふーん ビリーね

「 よろしくね 」

タルタルソースで ベチャベチャな右手を差し出すと

ヤツは 握り返してから 顔をしかめた

それから ふたりで 大笑いした


カウンターの中から カールした栗色の髪を かきあげながら

「 バッカ じゃないの! アンタたち 」

彼女は ココでタムロってる外人が 嫌いみたいだ


外に出て 車の中を指差し 振り向いて

後ろに 突っ立っているビリーに 声をかけた