どのくらい 経っただろう か

心地よい揺れの中  ふと 目が覚めた


もう 高速は降りていた

フロントガラスに 雪が舞っている

窓のむこう 景色を見渡すと 真っ白な雪に包まれた街 だ

片側一車線の国道

スキーバスが何台か 前をゆっくり走っている

ドアミラーにも 後続の車のライトが並んでいる

窓を少し開けて 手のひらを出してみた

思ったほどは 寒くはない

雪が降っているときは あまり寒くはないのかも

晴れているときは もっと冷たい風を感じるハズだ


「 バス 多いなぁ 」

「 おっ 起きたか 」 と ヒロ

「 眠くない? 」

「 大丈夫 夜中のドライブは 気持ちいいよ 」


それから しばらく バスの後をゆっくりと走り続けて

山が近くに迫ってくると 左右にゲレンデの明かりが見えてきた

バスや ワゴンが 数台ずつ信号を曲がり始める

前方の車列も バラけてきた


目的地の ゲレンデの看板が立っている

看板が 懐かしい

信号を左折して しばらく山道を登る

ゲレンデ前の パーキング

到着 一年ぶりの ホームグラウンド ”ただいま”


あたりは まだ 闇のなか

リフトが動く時間まで もうひと眠り しよう