冬の夜勤の夜中

工場のなかは 冷えきっていた・・

フォークリフトが 絶えず出入りするから

空調も ほとんど 役にたたない

寒かった・・

車両出入り口には エアーカーテンがあるのだけれど

外の冷気が 忍び込んでくる


作業着の下に あまり着込むと 動きにくい

使い捨てカイロを 胸とケツのポケットに 入れていた


流れている ラインを 止めないように

金属板を プレスして 次に送る  単純な作業だが

時々 襲ってくる睡魔には マイった

昼間寝ても やっぱり夜中は眠い

だいたい 夜勤なんて 初めての経験だ


休憩時間になると

みんな 暑すぎるくらい 暖房が効いた部屋で

テレビを観ながら  メシを 食っていた


深夜のテレビを 仕事中に シラフで観るのは

部屋とは違う 空虚さが あった


ひとり・・  外に出て

白い息を吐きながら

宙を 見あげた