大河は私にとって、大切な人だと思ってる。

かけがえの無い人だと思ってる。

でも、たとえ大河でも、あのことを話すわけにはいかない。

話してしまったらきっと、もっと大河を傷つけることになるから。

大河だけじゃない、沢山の人に迷惑をかけることになる。

テニス部のみんなにも...斗亜くんにも...。

だからこれだけは、私が一人で隠し通すしかない。

今更あんなこと、もう関係ないと思ってた。

期限までの期間、ただ周りに黙っていればいいと思ってたのに。

こんなことになるなんて...。

大切な人たちを...こんなにも傷つけることになるなんて...。

もうこれ以上、誰も傷つけたくない。