「お前はすぐムキになんなよ?」

結局いつもと変わんねーし。

でもそれがどこか嬉しいと感じてしまう自分も居る。

「あっ!来たよ大河!」

「そうみたいだな。」

気がつくともう俺たちのすぐそばまでパレードが来ていた。

「わぁ、すごーい!キレー!」

俺はパレードから視線をずらし、嬉しそうに声を上げる結愛を眺める。

エルモやらキティーやらが次々に目の前を通っていく。

それをまるで子供のようにきらきらとした目で見ている。

フッと思わず笑ってしまう。

だって、こんなに俺がじっと見ていても全く気づかないんだぜ?

だからちょっとだけからかってみた。

「お子ちゃま。」

するとさっきまでは全くこちらを見ようとしなかった結愛がクルッとこちらを見る。

「何か言った?大河。」