「えっ?」

驚いた顔でこちらを見る結愛。

でも、俺の珍しくコイツに見せた真剣な表情から何かを読み取ったのか

「...分かった。」

と言ってやわらかく笑った。

「そっか、ありがと。」

「どういたしまして。」

結愛の笑顔に俺も自然と笑顔になった。

そうこうしているうちにいつの間にか周りには人が集まっていた。

「なんか、人増えてきたね?」

「もうすぐパレードが来るんじゃね?」

さっきの沈黙が嘘のように、自然と会話が相変わらずになってくる。

「結愛、絶対にはぐれんなよ?」

「そんなに心配しなくても大丈夫だって言ってるでしょ!」

「心配?俺は探すのが面倒なだけ。」

「なにそれ!?酷くない?」

「はいはい。冗談だって。」

「もうっ!すぐからかうんだから!」