「い、いらない!」

「別に遠慮しなくてもいいけど?」

「してないしっ!」

むきになる私から何かを感じ取ったのか、大河の目が妖しく光る。

「何?もしかしてこれくらいで意識してんの?」

「....っ\\\」

やっぱり気づかなくて良かった。

いや、むしろ気づかないで欲しかった。

こうなると大河はもの凄く意地悪になる。

「間接キスくらいで意識してるようじゃ、この先持たないよ?」

足を止めて横から顔を覗き込むように近づけられる。

「それとも、これじゃあ満足できない?」

甘い台詞をサラッとささやく大河。