スッと手を差し伸べてきた大河。

「危ないから、手、繋いでてやるよ。」

「ん、ありがとう。」

私も素直にその手を握り返した。

「お前、目を離すとすぐどっか行きそうだし。

 人が多いから、はぐれたら大変だろ?」

「お前じゃなくて、探す俺らがな?」と言って笑う大河。

「あのねぇ、子ども扱いしすぎ!」

まったく.....。

「心配なんだよ、お前が。」

「....大河?」

急に真剣な表情になった大河に何もいえなくなった。

私はそのまま大河に手を引かれて、三崎たちのところに向かった。