「どうだかな?」

最初のうちはそんなことを言い合いながらしゃべっていたんだけど...。

なれない早起きのせいで私は知らないうちに意識を手放していた。

「...結愛?寝たの?」

このときの私はもう夢の中で、

「ったく、だから言ったろ。しょうがないな。」

大河が私を起こさないようにそっと自分の上着をかけてくれたことも

「寝ているときだけは、大人しいんだけどな?」

愛しそうな目で私を見つめていたことも、

「...いい加減気づけよ、バカ。」

大河がつぶやいた一言にも、全く気づいていなくて。

今、大河が何を思っているのかなんて、何も知らなかったんだ。