ある大会の日、俺はいつものように取材に答えていた。

そして...聞こえてしまった。

たぶん新人の人なんだろう、

アシスタントとして後ろでメモを取っていた二人組みの会話。

『しかしスゲーよな、あの中学生。』

『あぁ。でもま、どうせ練習なんてしてねーんだろ?』

『そりゃそうだろ。なんたって、天才だもんなぁ!』

『いいよなぁ、才能の持ち主は!』

笑いながら話す二人。

その瞬間、俺の中の何かが消えた。