「いつか、遠くに行かなくちゃ...っ」

幼かった私にとって、イギリスなんてさっぱり分からなかったけれど

遠い遠い海の向こうだと言うことくらいは分かった

「もう、ここへも来られなくなっちゃう...」

泣き続ける私に、男の子は静かに口を開いた。

「さびしいの?」

「.....っ」

こくんとうなずいてみせる。

「.....なら」

「.....えっ」

「なら、俺の一緒に行く。」