なんで...なんでここにいるの?

だって今日は部活だ...。

それに、今日たつことは、誰にも言ってないはずなのに。

斗亜くんはゆっくりと近づいてきて、私の目線に合うようにしゃがんだ。

目の前のことが信じられない。

「....何、泣いてんの?」

「!....えっ?」

それはずっと昔、私を慰めてくれたあの時と同じ。

なんで...斗亜くんがあの男の子と同じ言葉...。

「あんたがさみしくて泣くんなら...」

「....!」

「俺も、一緒に行くから。」

あぁ、そっか。

なんで今まで気づかなかったんだろう。

斗亜くんが...きっとあの時の男の子。

私の王子様は、斗亜くんだけだったんだね。