空港内はたくさんの人で混雑していた。

家族、友人、恋人、それぞれが楽しそうに行きかう中、一人先輩の姿を探す。

やみくもに探してもらちが明かない。

俺は元来た道を引き返し、案内板を見つめた。

先輩が乗るはずの便を必死に探す。

「.....これか?」

やっと見つけたイギリス行きの便。

でも、それまではまだ時間があった。

....先輩はまだ、この中にいる。

俺は再び先輩を探そうと視線を移した。

その時、ふと頭にある場所が浮かんだ。

きっとあそこに、先輩がいる。

俺はある場所に向かって走った。