そこで俺は初めて、まともに時計すら確認していなかったことに気がついた。

俺、時計すらまともに確認できなくなったわけ?

そんな自分にため息をつき、荷物を置いて部室を出た俺。

「おはよう霧野、ずいぶん早いな。」

そこにいたのは来たばかりらしい大河先輩だった。

「おはよーございます。」

俺は特に気にすることもなく軽く挨拶をして歩きだした。

でも、その足もすぐに止まってしまった。

「なぁ、霧野....」

ふいに呼ばれた名前に仕方なく先輩を振り返る。

「何ですか?」

別に興味もなく問いかける。