「やっぱり、ここに居たんだね。」

一日はあっという間に終わり、今は放課後。

私は今、テニス部の部室に来ていた。

そこにいたのは何かを考えているような斗亜くん。

やっぱり、ここにいると思ったんだ。

誰よりも早く来て練習をしていたのを、ちゃんと知っていたから。

実は、今日がここに来れる最後の日なんだ。

明日私は、ここから離れなくちゃいけないから。

だから最後に、どうしても会っておきたかった。

どうしても、会って直接渡したい物があった。

私は静かに部室に足を踏み入れた。