「どうせあんたも、俺の表面しか見てない。」

「.....。」

「勝手なこと言うな。

 俺はテニスなんて好きじゃないし、楽しくも無い。」

「.....えっ。」

「ただの暇つぶし、それだけ。」

斗亜くんの言葉に、なぜか涙が頬を伝った。

たしかに斗亜くんの言葉も悲しかった。

でも、それよりも、斗亜くんはとても苦しそうだったから。

「....何、泣いてんの?」

斗亜くんは一瞬だけ驚いた顔を見せたけど、すぐにまたあの表情に戻った。