「へー...面倒、な?

 俺ならとっくに解き終わってると思うけどな?」

さっきとは表情が変わり、意地悪く首をかしげている。

「それはどうも。余計なお世話がなければ私も解き終わっていると思いますけど。」

「あぁ、ごめんね?結愛、俺より数学出来なかったから、助けてやろうかなーと。」

「はぁ?それはこの前の一度きりですから。」

「フッ...どーだかな?」

「次は絶対に負けませんよ。」

「じゃあ、あれぐらいの問題は、簡単だよな?」

「早く解いて来てくれない?」と言って黒板にチラッと目線を移す。

私はスッと黒板の前に立ち、さーっと問題に目を通すと一気に答えを書き始めた。

「...出来ました。」

物の数分で答えを書き終え席に戻る。

席に着くと大河がこちらを見ながら口を開いた。

「さっすが結愛だな。」