「あれ?結愛ってこの手の問題苦手?」

挑発するような声とは裏腹に表情は作ったような笑顔を振りまいている。

言い忘れてたけど、大河はそれなりにモテる。

クラスの女子曰く、誰にでも優しい王子様、らしい。

今の笑顔はその王子様スマイルってわけ。

「ご心配なく。ちょっと面倒なだけです。」

私はこういうとき敬語になるらしい。

だいたい、私より成績悪かったくせにー!

大河って、何かと突っかかってくるんだよね...。

今では授業の名物になりつつある。

私も負けじと笑顔で言葉を返す。