「でも、これだけは覚えとけよ。」

「.....何すか。」

「...今度は、キスだけじゃすまないかもしれないな?」

「!...何言って...」

「ま、お前には関係ないだろうけどな。」

それだけ言うと、先輩は今度こそ保健室へ向かって歩いていった。

先輩が見えなくなると、俺はズルズルと壁に身を任せた。

先輩の言葉が...頭を支配する。

さっき交わした会話を思い出す。

『別に、逃げてなんかないっすよ。』

『逃げてるだろ?俺からも...結愛からも。』

『それって...どういう...』

『お前は逃げてるだけだ。』

俺の質問には答えずに、はっきりとそう言った。