本当に、こういうネタが好きだよな、こいつら...。

でも、落ち着いて聞いていられるのはここまでだった。

「お前なぁー...その先輩、お前の先輩だろ?」

「...は?」

「ほら、お前と同じテニス部の...松田先輩、だっけ?」

「...っ!」

それを聴いた瞬間、なぜか嫌な予感が頭の中を支配した。

「もしかして...倒れた先輩って...」

もしかしたら....。

こういう予感は当たってしまう物で、

「あぁ、たしか...夏輝 結愛、だっけ。」

「!...マジかよ。」

その名前を聞いたとたん、俺は無意識に走り出していた。

先輩が...倒れた?

それも、運んだのが大河先輩なんて...。