「しっかりしてよね。あんたまでボーっとしてたら、仕事になんないじゃん。」

「....っ!あのねぇ...」

「じゃ、ちゃんと仕事してよね、先輩?」

首をかしげてフンッと笑って見せる。

入部してからと言うもの、あまりしゃべることは無い。

...が、たまに会話があるとすればいつもこれだ。

あいつ...絶対に先輩とか思ってないでしょ!?

この前、斗亜くんにそう聞いたときなんか...

『先輩なら、先輩らしくしてよね?』

って、さらにいやみを返される始末。

「この生意気1年!」

でも、悔しいけど、ああいう態度も様になっていて不覚にもドキッとしてしまう。

私は去っていく背中に文句をぶつけることしか出来なかった。