俺は開けっ放しになっていたドアから廊下を見た。

そして見つけたんだ...。

走り去っていく、霧野の姿を...。

俺は急いで霧野を追いかけた。

あいつはきっと俺たちがキスしたのを見てしまったんだ。

もしかしたらあいつも...。

逃げる霧野も追いながらふとそう思った。

俺だって一応は先輩だし、霧野にもすぐに追いつく事が出来た。

腕をつかんで動きを止める。

「...待てよ、霧野!」

「...何すか?大河先輩。」

観念したのか静かに振り返る霧野。