「とりあえず保健室に運んだほうがいい。」

「....っ分かった。」

怜に言われて結愛を抱きかかえたまま立ち上がる。

「俺が運ぶから、怜は先生に伝えといてくれ。」

「分かった。」

俺はまだ騒がしい教室を急いで後にした。

何であの時、傍に居てやら無かったんだろう...。

教室を出て行ってしまったんだろう...。

あんなふうになる前に、どうして気づいてやれなかったんだろう...。

きっとコイツは、今日一日辛かったはずだ。

あんなに傍に居たのに...。

コイツがこんなになるまで我慢していたなんて...ぜんぜん気づかなかった。

結愛はいつもこうだ...。