俺たちの教室から拓斗の教室まではほんの数メートルの距離。

ちょうど教室の目の前まで来たとき、

俺の存在に気づいた女子が慌てたように駆け寄ってきた。

「大河っ!結愛がっ!」

「えっ.....」

それに気づいたほかのクラスメイトがまた声を上げる。

「早く行ってあげて!大河っ!」

気がついたら俺は人並みを掻き分けて教室へ入っていた。

「ごめんっ!ちょっと通して!」

ようやく人ごみの中で結愛を見つけた。

....けど。