私の名前は佐藤愛美(さとう えみ)。24歳の独身女性。

そこらへんに居そうな名前。そしてそこらへんに居そうな顔。性格だって別に特徴はない。

おしゃれには興味があるが節約をしたいしお母さんからお下がりをもらっている。

勿論、とてもババ臭い。

髪は一度も染めた事がなく見事なことに枝毛はなくストレートはケアが面倒臭いためばっさりショート。

そんな私はなんやかんや彼氏いない歴=私の年齢な訳で幸せな事もなくつまらない事もない平凡な生活をしている。


『─…○○駅、○○駅でございます…』
「あ、降りなきゃ…」
走って電車を降り、改札口まで急ぎ早く駅から出た。


「よしっ。今日もきちんと5分前」
駅の外では仕事についた時から先輩の白井柚木(しらい ゆき)と待ち合わせをしている。

とりあえず彼女のスペック。
26歳 独身 細身で長身 顔は美人系でクォーター 色素が薄く髪は茶色。まあ見れば分かるが超絶美形。
性格が男前…と、言うか完全男のためこの見た目にして彼氏はできたことがない
……と、まあこんなとこですか。


「ごめんよっ!愛美!遅れちったよ〜…待った?」
「あ、柚木先輩。今日は…2分遅刻ですね。この間の3時間待った時はどうかと思いましたけど…」
「ごめんごめん〜だってニュスにSuger*出ててさぁ〜」
「シュガー?」
「ま、ま、歩きながら話そ。」
「あっ、はい。で、柚木先輩、砂糖がお好きなんですか?」
「え?もしや愛美…Suger*知らないの?」
「知ってますよ!バカにしないで下さいよ〜」
「あ、なーんだ。知ってたんだ!最近Suger*にハマっててさ!あ、今度のCDの宣伝してて今日のニュースでPV初公開だったんだよ〜!」
「え…柚木先輩…そのネタ全然おもしろくないですよ…砂糖は食べ物ですよ」
「ネタ?愛美…もしや…勘違いしてるんじゃない?」
「え…?何がですか?」
先輩が鞄から雑誌を取りだし私に見せる。
「Suger*はアイドルだよ?砂糖じゃないよ!ただSuger*って書くのが手間かかるから砂糖って表記が多いの。だからそのまま砂糖って呼んでると思ってた。ファンによく居るからさ〜」
「え!?アイドルですか?……これはこれは失態…」