家に帰っても、あたしはコウジにメールを送らなかった。

いつもは試合の後には『おつかれさま!』って内容のメールをしてた。
でも今日は、する気になれない。

さっき聞いた会話が頭から離れない。

あたしの知らないマネージャーの女の子は、
コウジに『好き』
って言った。

あたしがずっとずっと思ってて、
ずっとずっと言いたくて、
でも、ずっとずっと言えずにいた言葉‥‥。



『♪♪♪♪♪....』


携帯が鳴った。

携帯を開くと、待ち受けはあの日の写真。
あたしはその写真をなるべく見ないように素早くボタンを押して、
メール画面を開いた。


<今日の試合、来てくれてありがとな!>


コウジからだ。
いつもみたいにあたしが送らなかったから
コウジから送ってきたんだ。