あたしは、ペットボトルを握りしめたまま
その場にしゃがみこんだ。


‥‥どうしよう。
コウジに彼女ができる。

コウジは
あたしを遊びに誘ったり試合に呼んだりしてくれたけど
あたしが勝手に舞い上がってただけで、
コウジにとっては、私なんてただの友達だったんだ‥‥。

ちょっとでも
うまく行くかも、なんて思ってた自分がバカみたいだ。



あたしは、ペットボトルのジュースを一口も飲まないままカバンにしまった。

立ち上がってカバンを肩にかけ、
あたしはグラウンドを離れた。

コウジに声かけていこうと思っていたけど、辞めた。
今コウジに会ったら、
あたしきっと、コウジの前で泣いてしまう。

さっきの子はサッカー部のマネージャーさんみたいだから、
その子もきっとこの後の打ち上げに行くんだよね‥‥。



‥‥視界がぼやける。
やだな、あたし泣きそうになってる。


‥‥コウジ。
好き。
好きだよ。

ねぇコウジ。

どうして?


どうしてあたしじゃないの‥‥??