片付けは5分くらいで終わって
選手が更衣室に入っていく。
少しして、コウジが走って来た。
「ごめんな、待たせて!」
全然待ってないよ(笑)
コウジは相変わらず着替えが早い。
あの日は心の準備がまだできてないのに
コウジが来ちゃって、声かけそびれたんだよね。
「いいよいいよ!じゃ帰ろっか!」
あたしとコウジは並んで歩きだした。
コウジは、今日の試合の話をしてくれた。
あたしはサッカーのルールとかよく知らないから
ところどころ分かんない部分があったけれど、
コウジが楽しそうに話すサッカーの話が
あたしはすごく好きだと思った。
「玲、また二人で遊ぼーよ!」
コウジが嬉しそうに笑って言った。
あ、それ。
それが見たかったんだよ、コウジ。
あたし、
コウジのその笑顔が大好きなんだ‥‥。
「いいよ!あたしも遊びたい!」
「俺スケジュールは携帯につけてるんだ。
いつならあいてるかな!?
ちょっと待ってなー」
そう言ってコウジが開いた携帯の待ち受けは、
お祭りで一緒に撮った写真だった。
ちゃんと待ち受けにしてくれてる。
あたしは、何だかたまらなく嬉しくなった。