「うん!!」

突然のコウジの登場に驚いて、
あたしはめちゃめちゃでかい声で返事をしてしまった。

その声の大きさにコウジは驚いた顔をしたあと
「元気だなー」
と言って笑った。


「じゃ、校門で待っててもらえる?
できるだけ急ぐからさ!」

「うん、分かった!」

そう言ってコウジは、片付けをしている集団にまじっていった。

あたしはカバンを持って校門に向かう。
校門に立って、コウジを待った。
チラチラとグラウンドの様子をうかがうあたしの姿は、
数日前のあたしとおんなじだ。

ついこのあいだの事なのに、
何だかすごくなつかしい。


あの時は、コウジの学校の校門で。
コウジを待ってたっていうのは今と同じだけど、
あの時は『コウ』への復讐のためだった。
ドキドキしてたのも今と同じだけど、
あの時の緊張と、このドキドキは全然違う。


あの日とのイチバンの違いは‥‥

今のあたしは
コウジに恋をしてる。

っていう事。