里奈が立ち上がって言った。
「玲、じゃあたし先に帰ってるね!
コウジって人に会っていきなよッ」

「えっ、でも‥‥」
急に呼びつけておいて一人で帰らせるなんて
何か里奈に悪いよ。

「いいのいいの!
二人で一緒に帰りなよ!」

里奈はそう言ってカバンを肩にかけた。

「ごめんね、
ありがとう!」


校門に向かって歩きかけた里奈は、
思い出したようにくるっと振り返って、
小声で言った。
「頑張れよぉー!」

そう言うと、里奈はいたずらっぽく笑って
校門の方に歩いていった。


里奈、楽しんでるな‥‥(笑)
まぁでも、この出会いは里奈のおかげだもんね。
感謝しなきゃ!



その時、

「玲ー!」

後ろで声がした。
振り返るとコウジが居た。

「玲、俺いまから片付けと着替えがあるんだけど‥‥
なるべく急ぐから、良かったら一緒帰らない!?」