あたしは里奈に、昨日のお祭りのことを報告した。
それから、あたしの気持ちのことも。
「コウジが『コウ』じゃないなんて思いもしなかったけど‥‥
違っててほんと良かった‥‥!」
あたしがそう言うと里奈は楽しそうに笑って、
「玲、コウジって人のこともうめちゃめちゃ好きじゃんっ!」
と言った。
あたしは照れて、はははっ、って笑う。
ねぇ、コウジ。
こんなに誰かを好きになったことなんて
あたし、初めてかもしれない。
まだ知り合ったばっかなのに‥‥
『好き』があふれて、
会いたくて会いたくてたまらなくなるんだよ。
試合が終わったらコウジの所に行こう。
会いに行ったらコウジ、
「玲!」
って言ってまたあの笑顔で笑ってくれるかなぁ?
『試合終了ー!』
終わりを知らせるホイッスルが鳴って、
選手が一列に並んだ。
礼をして、それぞれのベンチに戻っていく。