佳伊の部屋に行くと可愛い女の子が座っていた。
小学生のようだ。髪は腰まで長くてどこか莎羅に似ていた。

「この女の子が？」

と高露が佳伊を見ると佳伊はにっこりと微笑んで首を横に振る。

「？じゃあ…？」

見ると女の子は金魚鉢を持っている。中には金魚が一匹。
他には佳伊の側近の男しかいない。


「こんにちは」

可愛い声がした。
声の主を探すが見当たらない。

「君が言ったの？」

女の子に聞くと女の子は首を振った。

「私は園実。この子はみみっていうの」

そう言って、金魚鉢を高露の前に差し出した。

「…ああ、うん」

どういうことか分からずに高露は挨拶もままならない。

「私がみみだよ」

今度は高露が見てる前で金魚が喋った。
高露はびっくりして固まった。そして首だけゆっくりと佳伊の方に向け、大声で言った。


「おい！！き…きき金魚が喋ったぞ！！」

佳伊と金魚と園実を交互に見ながら高露はプチパニックだ。

佳伊は楽しそうに、にやにやしてその様子を見ている。
それを見て高露が怒鳴る。

「お前楽しんでるだろう！！」

「うん」

佳伊は悪びれもせずに笑った。