「多分クローンの美野里さんはここでPhoenix療法をした後のものをクローニングしたんでしょう」

「だらか感染しなかった…」

「そうです。つまりこの治療法であってると言うことではないでしょうか?」

「そうだな。じゃあ、青沼美野里さんのものを液窒素で凍結。2075年まで」

「分かりました」

そう言って沙耶は出て行こうとする。

「沙耶」

佳伊が呼び止める。

「はい」

止まった沙耶に佳伊は近づいていく。

沙耶は少し仰け反る。その腰に手をあて、自分の方に引き寄せる。

「佳伊様…?」

顔を赤くした沙耶は顔をそむけるが、佳伊が顎を持ち自分の方へ向ける。

そのまっすぐな瞳に沙耶は引き寄せられる。

佳伊はそのまま唇を重ねた。沙耶もそれを受ける。そしてピアスにもキスをした。

「美野里と沙耶は別だからね」

佳伊の言葉で沙耶は真っ赤なる。

佳伊があまりにも美野里には素直で正直言うと焼きもち焼いていたんだ。佳伊はそれがお見通しだった。

「わ…わかりました」

佳伊のキスの嵐の中、かろうじて言うと佳伊はにっこりと微笑んで沙耶を解放した。

「でで…では」

真っ赤なまま沙耶は部屋をあとにした。